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情けない決算報告

ない株式会社・代表の岡シャニカマです。

この会社もなんとか1年続けることができ、無事に2期目を迎えるに至りました。
特に誰にも頼まれていないのですが、せっかく会社を作ったので決算報告をしてみようと思います。

1期目の振り返り

結論から申し上げますと、1期目から黒字でした。
というのも、家でやっているので家賃もかからず、役員報酬も0円なので当然といえば当然なのかもしれません。

ここでは代表的なトピックを2つ紹介させていただきます。

「いけずステッカー」が話題になった

会社を作っても仕事がない状態でしたので、いっそのこと自社製品を作ってみようと考え、デザイン会社のCHAHANGさんとの共同開発で「裏がある京都人のいけずステッカー」という京都土産を作りました。

昔から興味があった京都の「いけず文化」を観光資源にするという試みで始めたこのプロジェクト。
CHAHANGさんやモデルの大西さん、印刷会社の修美社さんなど多くの京都人の助けもあって予想以上に大きな話題になりました。

テレビや新聞でも取り上げられ、ついには京都市のふるさと納税返礼品にまで。
しかし、どこでどう間違えたか未だに赤字で黒字化の目処が立たないのです。

儲けようという考えは捨てて、弊社の広告宣伝費として考えれば安いもの。
話題化のおかげでお仕事がバンバン来ればいいわけですが、なぜか仕事の問い合わせにはほとんどつながらない

今になって思えば、クライアントが「いけずステッカー作れるならウチのプロモーションも考えてもらえそう!」なんて思うわけがないですよね。ネタに全力投球で収益性ゼロ、社会性もあるんだかないんだかよく分からないのに。

会社を辞めて独立した

1期目までは副業として会社経営をしていたのですが、2期目からは本業の株式会社人間という会社を辞めて独立することにしました。

「え、いけずステッカー赤字のくせに調子乗ってる?」と思った方も多いでしょう。

安心してください。いけずステッカーは仕事につながりませんでしたが、弊社のことを人づてに聞いたり、Xで見ていてくれた人から徐々にお仕事をいただけるようになりました。

まだ発表は出来ないのですが、すでに前職と同規模の案件もいただいており、さすがにそれを公開した後はまともな会社に見えることでしょう。きっと。

そんな話を知人や友人にして「独立しようと思うんです」と相談すると、全員が「いいやん!」「シャニカマなら大丈夫!」と言ってくれました。

ただ一人、妻を除いて。

株主より大事な「家主(妻)」

わたしの妻は自営業で不動産会社を経営しており、歳も9個上。人生でも、社長としても大先輩です。
そんな妻に軽いノリで「独立しよかな」と相談すると、返す刀で「何をアホなこと言うてんの」と言われてしまいました。

妻からは「案件が1つ2つ決まったからって経営できると思ったら大間違いよ」「そもそもいけずステッカーはいつ黒字になったの?」「わたしの収入をアテにしたらアカンで」と怒涛の正論ラッシュ。
返す言葉がないダメ夫は1ラウンドでKOされました。

その後、妻の会社の会長であるお義母さんからもやんわりと諭され、独立話は暗礁に乗り上げます。

ここで“大事なこと”に気がつきました。

会社は家族を養うための手段に過ぎない。
だとすれば会社の最高決定権は株主(自分)ではなく、家主(妻)にあるじゃないか。

と。

そこで妻から独立の承認を得るために、株主総会ならぬ「家主総会」を開きました。

どのクライアントに提出する資料より丁寧に構成を考え、会の目的から財務状況のデータなど細かく説明し、娘が寝ている間にプレゼンできるよう不要な情報も削ぎ落として洗練させます。

そしてある日の夕方、娘がお昼寝したタイミングを見計らってプレゼンを開始。
「家主総会を開かせていただきたいです」と表紙を見せた段階で妻に言われました。

「あー、わかったわかった。もう独立していいよ。」

あっけなく家主の承認が得られました。
あまりにも味気ないので「一応説明を…」と続けたのですが。

「もうこんな資料作ってくるぐらいやから、本気なんやろ。いいよ、最悪家庭は私がなんとかするし

最後の一言で、情けない旦那と肝の据わった妻との関係性がお分かりいただけたと思います。

このまま独立が不甲斐ない結果に終わってしまい、完全なヒモ状態になるのは避けなければなりません。
もうすぐ娘にも物心がついて、情けないパパだということも理解してしまいますので、2期目は今まで以上に危機感を持って頑張ります。

ちなみに妻には業績が良かった時の「家主優待」として海外旅行とブランドバッグを提案し、「ええやん」と一定の評価をいただきました。2期目については、こちらも目処が立っていない状況です。

このブログを読んで可哀想だなと思った方は、情けでも構いませんので、お気軽にご相談してください。

今期も情けない株式会社をよろしくお願いします。

2024年7月1日
なさけない代表・岡シャニカマ