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年賀状として封筒に指を詰めました。

皆さま、明けましておめでとうございます。

会社を設立してちょうど半年が経ちましたが、相変わらず赤字経営が続いています。
一方で初商品の「いけずステッカー」が話題になり、徐々にですがお仕事も増えてきました。

会社を経営してみると、つくづく人との出会いが大事だなと思います。
全くツテがない状態からスタートしたので、ちょっとした出会いが仕事に繋がっていくのが嬉しく、運命的なものすら感じてしまうのです。

そんな思いから「運命の赤い糸」を年賀状にしてみました。

ただ、赤い糸だけを送ってもコンセプトが伝わらず、ゴミにしか見えないので誠意も感じられません。
そこで自分の小指も同封することにしました

こちらが完成した2024年の年賀状です。
石膏で作った私の小指に運命の赤い糸を結び、受け取った人が「運命の赤い糸で結ばれている状況」をリアルに再現できるようにしました。

ただ、このコンセプトがわからない人にとっては「ケジメをつけました」というメッセージにしか見えないので、封筒に新年の挨拶文を書きました。

なぜ運命の赤い糸なのかという理由を丁寧に説明しつつ、指が入っていることを事前に匂わせておくことで、驚かせすぎないような配慮もしました。

今年は辰年なのでドラゴン繋がりで「ドラゴン桜」風のイラストをMidjourneyで制作。
AI画像生成あるあるの「指の本数がおかしい」という失敗をネタに盛り込み、セリフもよくみると「初詣」ではなく「初指」になっています。

「運命の赤い糸」ができるまで。

最初に懺悔します。

今回は苦手な工作に取り組んだ結果、量産体制が間に合わずたったの6通しか年賀状が出せていません。
設立したてで取引先が少ないとは言え本当は20通ぐらい送りたかったのですがまるで間に合わず、私の至らない計画性を余すことなくお伝えします。

発端は「株式会社人間」で提案した没ネタ

まず、この年賀状の発端は私がプランナーとして勤務する「株式会社人間」の年賀状企画でした。
満を持して提案してみたものの、人間では野蛮すぎて採用してもらえなかったのです。

そんなことをXでポストしてみたところ、いけずステッカーでお世話になった大西さんからこんな反応が。

本当は京都人らしい「いけず」な本音が隠されていたのかもしれませんが、大阪人の私は素直に受け取りました。
「微笑ましいなら送っても大丈夫だ」と。

こうして、大西さんに背中を押してもらえた(?)おかげもあり、赤い糸年賀状の制作がスタートしました。

慣れない工作と「内助の功」

私もコンテンツ制作業界で5年目になりますが、未だに苦手なのが「工作」です。
株式会社人間では優秀なデザイナーやインターン生がいるので、ほぼ全ての工作を任せてきました。

しかし弊社はお察しの通り頼れる社員が1人もいない株式会社です。
そこで1から石膏像の作り方を調べ、土日や平日の夜を使って工作に挑みました。

当初は石膏で小指の原型を作り、そこからシリコン型をとって、レジンで量産する想定でした。
しかし調べていくとレジンは有毒ガスを発生するため防毒マスクが必要とのことで、とても1歳の娘がいる自宅では不可能と判断。石膏像を可能な限り作ることにしました。

余分な部分をカットしてヤスリで削っていきます

そして着色の工程に進むのですが、私は色弱なので「絵の具で指の色を再現する」なんて繊細なことはおそらく出来ません。
絵の具を混ぜながらそんな泣き言を言っていると妻が「貸してみ」と、着色を手伝ってくれることに。

するとスイッチが入ったのか、そのまま何時間も没頭する妻。
2日かけての重ね塗りまでしてくれる「内助の功」のおかげで自然な色合いの小指が完成しました。

関節部分のシワが特にこだわったポイントらしいです

6本完成したのが12/27。
そこからさらに石膏を作って妻に着彩を依頼するわけにもいかず、「断腸の思い」で発送することにしました。指なのに。

今回お送り出来なかった多くの方、本当に申し訳ありません。
来年こそは今年のケジメをつける形で、誠意のこもった年賀状をお送りできるよう頑張ります。

今年もよろしくお願いします。

ない株式会社
代表・岡シャニカマ

後日談

年賀状の内容が記事に取り上げられました。
見出しが「怪事件」でしかない。

京都の女将の元に郵送で「小指」届く 誰の指?何のメッセージ?送り主を直撃してみた
https://j-town.net/2024/01/19353211.html