BLOG ないブログ

燃えている年賀状を送りました。

企画屋を諦めて、不動産屋に転職しそうであぶない。

明けましておめでとうございます。
ない株式会社の岡です。

昨年の7月から独立し、家族や周りの方々に支えられたり、励まされたり、慰められたり、同情されたりしながら、何とかやっています。

ただ目下の課題は安定しないということ。

夏場まではとても忙しかったのですが、10月ごろになると率先して娘の送り迎えをするようになり、毎日昼間から公園で遊んでいたらママ友から「お仕事って何されてるんですか…?」と怪訝な顔で尋ねられ、ついに「HIMAになりました」というプレスリリースを書くぐらい暇になりました。

妻からも「宅建とってうちの会社手伝ったら?」と真顔で提案され、自分もその方が良い気がして物件の視察にも頻繁について行くようになっていたある日。
ふと前々職の尊敬していた性格の悪い先輩に言われた一言を思い出しました。

「お前が宅建でもとって『真っ当』になるのが楽しみだよ」

驚くべきことに、この予言をされたのは不動産屋の妻と出会う1年以上も前。
私が当時「みうらじゅんになりたい」と会社を辞めて無職になる際に、修羅の道をはやばやと諦めて不動産屋に転職することを先輩は予知していたのです。

そんな言葉が呪いのように頭の中で反響し、このままではいけないと思いました。
そこで、2025年から新たな「攻め」の気持ちで臨むべく、昨年お世話になった皆様に「ギリギリ炎上しない程度に攻めた企画」を提案する年賀状をお送りしました。

燃える年賀状「炎賀状」

2025年の年賀状は名付けて「炎賀状」です。35件の取引先それぞれに1案ずつ「ギリギリ炎上しない程度に攻めた企画」を添え、今年にかける闘志を表すために燃えているようなデザインにしました。

上の方をつまんで撮影すると「つまらない年賀状送ってきたから燃やしてやった」みたいな写真が撮影できます。

実際には燃えていません

「ギリギリ炎上しない企画なのに燃えとるやんけ!」と言われそうですが、ここで重要なのは「燃えているように見えて、実際には燃えていない」ということです。私が過去に企画した「いけずステッカー」も「クソリプかるた」もよく「炎上してそう!」と言われるのですが、実際のところは炎上していません。(2025年1月9日時点)

挨拶文には「謹賀新燃」や「焼けましておめでとうございます」など、ヤケクソみたいな駄洒落をふんだんにしたためました。

送り先の35件それぞれにオーダーメイドで企画を考え、1枚の企画書になるよう説明文とイメージ画像を作って入れています。「炎上ギリギリ」がテーマなので、普段なら提案書に入れるのも少しはばかられるような企画が出せて、プランナーとしては多少のデトックス効果がありました。

年賀状自体のデザインは、昨年“いろいろとギリギリなマグネット名刺”を一緒に作った森倉ヒロキさんです。「謹賀新燃」というワードも実は森倉さんからの提案で、二人三脚で作りました。

万が一この年賀状で誰かが炎上したら2人で責任をとろうと思っています。

本当に燃やしていました

今回の印刷は「いけずステッカー」や「京都人狼」でお世話になっている京都の修美社さんにお願いしました。最初の打ち合わせでコンセプトやデザインを相談したところ「これレーザーカッターでやりませんか?」という打診が。

普通、レーザーカッターで紙ものをカットするときはなるべく燃えないものを使うのですが、逆に燃えやすい紙を使えば“焦げ目がついてより臨場感が出るかもしれない”とのこと。
修美社の山下社長が「火の通りやすさで言うと…」と、まるでバーベキューの食材を選ぶような語り口で紙の説明をしてくれたのがとても印象的です。

そして実際に“火が通りやすい紙”でレーザーカットした結果がこちら。

見事にこんがり焼けました。
焼けすぎて本当に焦げ臭く、ススも残っていて触ると手が真っ黒になるので拭き取らないといけないほどに。

焼きたての炎賀状を拭いたキッチンペーパー
「焼けましたねえ〜!」と大笑いしながら試作品のススを拭き取る山下社長

ちなみにレーザーカット中の動画ももらったので、年賀状が焼き切られる様を見たい方はご覧ください。

ここまで「焼き加減」にこだわった年賀状はおそらく世界初でしょう。
本来なら匂いもススもそのままお届けしたかったのですが、さすがに郵便局で烈火の如く怒られそうなので全部ふきとってから郵送しました。

炎上リスクを投稿してくれた方々

炎上リスクを抱えた「炎賀状」をXに投稿してくれる方もいました。

炎上ギリギリの企画案

せっかくなので取引先に提案した企画をいくつかご紹介。
引火性の高さに個体差はあるものの、どれもコンセプト通りちゃんと炎上リスクを抱えています。

最後に

あとで知ったのですが、お正月と三が日に火を使うことはタブーだそうです。
なんでも火の神である「荒神様」を怒らせてしまうんだとか。

そうとは知らず、新年早々に縁起の悪いものをお送りして申し訳ないです。
焼きが回っていたのは私の方かもしれません。

今年もよろしくお願いします。

ない株式会社
代表・岡シャニカマ