WORKS ないシゴト

「ロングウォーク」マッサージ上映

担当範囲
企画 / コンセプト開発 / コピーライティング / 制作ディレクション
公開日
2026/6/20
クライアント
株式会社クロックワークス

こんなに歩き続ける映画、足がダルくて観てられない

映画『ロングウォーク』のプロモーションとして、鑑賞中ずっと足つぼマッサージを受け続ける体験型上映イベントを、ホラークリエイティブカンパニーの株式会社闇さんと共同で企画・制作しました。

『ロングウォーク』は、「歩き続けなければ殺される」「最後の一人になるまで終わらない」という、極めてシンプルで残酷なルールを持つデスゲーム作品です。観ているこちらの足まで重くなってくるくらい、登場人物がひたすら歩き続ける。その身体感覚に正面から向き合った上映イベントです。

目的は、公開前の潜在層に向けてSNS上で話題をつくり、「気になる映画」として記憶に残してもらうこと。とりわけ、ホラーが苦手な人にもこの異常な企画から映画自体を面白がってもらえるような、間口を広げることを意識しました。

コンセプト

デスゲーム作品が群雄割拠する今、ただ「デスゲーム映画」として打ち出しても、どうしても既視感を持たれてしまいます。サブスクで新作も過去作も同列に並ぶ環境では、認知を取ること自体のハードルがとても高い。まずはこの作品の「他と違うところ」はどこなのかを考えるところから始めました。

調べていくと、本作の突出している点がはっきりしてきました。多くのデスゲーム作品が駆け引きや心理戦で見せるのに対して、『ロングウォーク』にはそれがほとんどない。あるのは「歩き続けるだけ」という、圧倒的な体力勝負です。勝敗を分けるのは頭脳ではなく体力と精神力。この潔いほどの単純さこそが、この映画の個性だと捉えました。

そこで、『ロングウォーク』を「デスゲーム映画」としてではなく、「とにかく歩き続ける映画」「歩くことに特化した映画」として定義し直すことにしました。一点突破のメッセージは理解しやすく、情報の流動性が高いSNSとも相性がいい。そうしてたどり着いたコンセプトコピーが「全米が泣いた」ならぬ「全米が歩き疲れた映画」 です。

そこで観客の疲れた足を癒やしつつ、登場人物が歩き続けて足を痛めていく過程に心理投影してもらえるよう、マッサージで“痛み”ごと再現し、癒しと痛みが同時に押し寄せる、矛盾した鑑賞体験をつくることにしました。

イベント内容

会場では、参加者8名に対してプロの整体師4名をアサイン。かなり高頻度で施術を受けられる構成にしました。映画の進行にあわせて足つぼを刺激し、登場人物が歩き疲れていく過程を、観客自身の足の「痛み」として再現していきます。

世界観もしっかり作り込みました。本編では軍人が参加者を見張っているので、今回は外国人キャストを少佐役としてアサイン。冒頭でルール説明をしてもらい、観客を一気に作品の中へ引き込みます。

ルールは、映画本編の「時速3マイル以下で4回歩いたらアウト」という設定と同じ構造に。上映中に「痛い」など声を発したら警告がたまっていき、4回で強制退場。退場は、スクリーン横に立つ少佐(監視員)によって宣言されます。
最後まで観続けるか、途中で脱落するか。映画と同じ選択を、観客自身の身体で体験してもらう設計です。さらに参加者は、作品中のロングウォーク参加者と同じく「番号」で呼ばれるなど、細部まで作品とリンクさせています。

なぜ、あえて「人数の少ない」イベントにしたのか

上映イベントは、体験できる人数だけを見れば決して多くありません。それでも、人数規模はあえて重視しませんでした。直接体験する人が少なくても、コンセプトや実施模様の突飛さ・濃さがしっかり出ていれば、その動画や写真を通じて作品の異常さに触れる人は何倍にも増えていく。SNSを通じた認知拡大こそが本筋だと考えたからです。

実際、本作はアメリカ公開時に、ウォーキングマシンに乗りながら鑑賞する「トレッドミル上映」が話題になりました。日本でも“あの面白い試写会をやった映画”として認知が広がった経緯があります。映画自体が極めてシンプルな作品だからこそ、プロモーションも複雑にせず、タイトルを見ただけで何をするものか伝わる形にする。その一点を大事にした企画です。

反響

掲載実績

Webメディア
映画ナタリー「『ロングウォーク』劇中の痛みを疑似体験できるマッサージ上映が開催、強制退場もあり」(2026/5/1)
NiEW「スティーヴン・キング原作映画『ロングウォーク』本編映像が解禁、体験型試写会も」(2026/5/1)
anemo「『ロングウォーク』本編映像公開 フットマッサージ付きの体験型試写会の開催も決定」(2026/5/1)
AdverTimes.(アドタイ/宣伝会議)「映画『ロングウォーク』試写会で足つぼマッサージ? 体験人数よりも“濃さ”重視でホラー映画の間口広げる」(2026/6/24)
オモコロブロス!「映画を見てただけなのに足ツボ刺激を食らいまくった日」(2026/6/24)
Qetic「スティーヴン・キング幻の処女作『死のロングウォーク』を映画化した『ロングウォーク』がついに明日公開」(2026/6/25)
シネマトゥデイ「【異例】激痛足つぼ上映!?映画『ロングウォーク』マッサージ上映スペシャル特別映像」(2026/6/25)
MOVIE WALKER PRESS「本編で脱落者が出るたびに激痛足つぼマッサージを実施!?『ロングウォーク』マッサージ上映の模様をお届け」(2026/6/25)
映画ナタリー「『ロングウォーク』激痛足つぼ上映開催、参加者が極限状態に「今も痛みが続いています」」(2026/6/25)
ねとらぼ「映画『ロングウォーク』足つぼマッサージ上映レポート 「うめき声を4回あげると退場」の「観る地獄」だった」(2026/6/26)

クレジット

Client: 株式会社クロックワークス

Producer: 荒井丈介(闇)
Creative Director / Planner: 岡シャニカマ(ない)
Designer: 杉村健太(闇)
Cast(少佐): キド
Casting: グルーヴ
Publicity: スキップ
Photography: 奥野倫