WORKS ないシゴト
地球ごとトゥンク展

地球ごとトゥンク展

担当範囲
コンセプト開発 / 企画 / コピーライティング
公開日
2026/03/29
クライアント
ヨコハマ未来創造会議

環境配慮のメッセージは響かない

株式会社ロフトワークさんからのご依頼で、横浜・BankPark YOKOHAMAで開催された機運醸成イベント「GREEN×EXPO TALK! – ときめき、ひらく-」(主催:ヨコハマ未来創造会議)の展示コンテンツとして、「地球ごとトゥンク展」の企画・コピーライティングを担当しました。

GREEN×EXPO 2027の開催1年前を機に、まともに伝えても響かない「環境配慮」を少女漫画風1コマイラスト×胸キュンセリフで表現した全10シーンのパネル展示です。

コンセプト

企画の出発点になったのは、環境啓発メッセージの持つ構造的な問題でした。「節電しよう」「ゴミを減らそう」というメッセージは正しい。でも、正しさには「今のあなたのままでは足りない」という前提が含まれているため、受け取った人は説教されているような気がして、反省するより先にメッセージを否定する方向に動いてしまいます。

そこで「できていない人を正す」のではなく、環境配慮を地球への思いやりという「優しさ」として描き直すことにしました。真面目で説教くさい言い方で「学級委員長」的な立ち位置をとるのではなく、優しさでクラスメイトをときめかせる「イケメン」や「マドンナ」を目指すことで、環境問題に取り組むこと自体が“かっこいい”ことにアップデートできると考えたのです。

そして何よりGREEN×EXPO 2027の公式マスコットキャラクターは「トゥンクトゥンク」。
おそらく少女漫画などで主人公がときめいた瞬間を表現するオノマトペ「トゥンク…」が由来のはず。

そこで「地球人として、トゥンクする。」というコンセプトを立て、今回の企画を提案しました。

このコンセプトはもともと展示コンテンツの企画として提出したものでしたが、嬉しいことにイベント全体のテーマ「ときめき、ひらく」の根幹に採用されることになりました。

展示内容

展示タイトルは「地球ごとトゥンク展」。真面目に言っても届かない環境配慮メッセージを胸キュンセリフに言い換えて、地球ごとトゥンクしてしまうような状態を目指した名前です。

10の環境配慮行動それぞれに少女漫画の「胸キュンシーン」をあてがい、男性キャラ5人・女性キャラ5人に振り分けました。各シーンのセリフは、環境行動の文脈とロマンチックな文脈の両方で読める「二重構造」になっています。「エアコン上げないで。もう少しこうしてたい…」は省エネの話でもあり、距離を縮めたい気持ちの話でもある。このズレが、クスッとしながらも「あ、これって地球のことか」と立ち止まれるきっかけになります。

イラストはプロ漫画家2名に依頼しました。男性キャラ担当は、『オオカミ様の一途な暴愛』『花盗人にキス』など、BLを主戦場に活躍するあぶく先生。女性キャラ担当は、少女漫画『借金令嬢とひきこもり竜王子』で連載中のキシダチカ先生。どちらもBL・少女漫画という「胸キュン」の本場で腕を磨いた先生方です。

胸キュンシーンやセリフの内容、各キャラクターの設定から細かな衣装まで、先生方と、ロフトワークの高橋さんと4人でLINEを使ってあーだこーだ言いながら一緒につくりました。
それぞれの趣向や偏見が入り混じり「こいつ絶対別れてもネトストする」「彼女のインスタログインID知ってそう」などの楽しい妄想を重ねながら、最終的に10シーンが完成しました。

あぶく先生担当

キシダチカ先生担当

展示連動企画

また現場の展示では参加者の方がときめいたシーンに「トゥンク…」のシールを追加できる「トゥンク投票」も実施。多くの方が投票してくださったおかげで、最終的にちょっと心配になるぐらい鼓動したシーンに仕上がりました。

さらに高橋さんの発案で地球ごとトゥンクさせる登場人物たちになりきって写真が撮れるフォトフレームまで誕生。イベント終了後も万博ファンの間でミーム化しつつある模様です。

クレジット

Creative Director: 高橋ナオヤ(ロフトワーク)
Planner / Copywriter: 岡シャニカマ(ない)
Illustrator: あぶく、キシダチカ
Designer: icco